一軒家の解体費用の相場はいくら?
内訳の読み方から金額負担を軽減する方法まで解説
持ち家の解体にはいくらかかるんだろう?
それには本記事をご参考ください!
ありがとうございます。
具体的な数字が書いてあって参考になりました!
「家の建て替え」や「空き家になった実家の管理ができない」という理由で、家を解体したいと考えている方もいるかと思います。そこで気になるのは、「家の解体には費用がどれくらい必要なのか」ということではないでしょうか?
本記事では、家の解体費用相場、解体費用の内訳、解体費用の負担を軽減する方法などについて詳しくご紹介します。これから家の解体を行う場合の参考にご活用ください。
家の解体費用を決める要素
家の解体費用は、下記の要素によって決まります。
- 建物の構造
- 建物の広さ
- 建物の立地条件
- 廃棄物の量
- アスベスト調査
- 付随工事費用
- 諸費用
建物の構造
解体費用を決める大きな要素となるのが建物の構造です。建物が固い構造体でできている場合は、解体費用の単価は高くなります。なぜならば、建物の解体に重機や人手が必要となり、工事の手間もかかるためです。
木造住宅であれば坪単価3万円から5万円程度。
鉄骨造の住宅なら坪単価4万円から6万円程度。
鉄筋コンクリート造もしくは、鉄骨鉄筋コンクリート造であれば坪単価6万円から8万円程度。
これらが、解体費用の大まかなイメージとなります。
ただし、築年数が浅い木造住宅で建物自体が頑丈な場合や複雑な構造の建物の場合は、解体費用が高くなるケースもあります。
建物の広さ
建物の広さも解体費用を決める要素の1つです。
建物の面積が広いほど、解体する面積も広くなるため、解体に掛かるコストは上がります。
また、建物が2階建てや3階建ての場合や、地下室など地下に構造体がある場合は、解体する面積と手間が増えます。そのため解体費用は必然と高くなります。一般的に地下階の解体費用は、地上階の解体費用と同程度で想定することが多いです。しかし、重機での作業や埋め立てが必要な場合もあるため、地上階の倍以上の解体費用が必要になるケースもあります。
建物の立地条件
建物の立地条件や地域も、解体費用を左右する要素となります。例えば、住宅密集地にある建物を解体する場合、解体のための重機を現場に入れられないケースや、足場が建てられないケースなどがあります。
また、隣家や周辺への配慮が必要であれば、工事内容が変更されたりする可能性があります。このようなケースでは、工期が長くなったり、人力に頼った作業が多くなったりするため、解体費用が割高になりやすいといえます。
廃棄物の量
解体費用は、解体によって発生する廃棄物の量によっても変動します。廃材は木材や金属などに分別して搬出しますが、これらを処理するためにも費用が掛かります。廃材が多くなるほど運搬や処理のコストが高くなるため、解体費用も高くなります。
また、近年では法規制によって解体工事で発生した廃棄物をまとめて処理することが難しいです。解体現場では手作業による廃材の分別が行われており、解体費用が高くなる一要因となっています。
処分する建材が多い場合は、分別のコストが増えるため、解体費用は割高になると考えておきましょう。
アスベスト調査
解体する建物のアスベスト調査費用も、解体費用を決める要素の1つです。解体工事を行う際には、建物のアスベストの使用の有無について調査することが、国土交通省によって義務付けられています。
アスベストの有無について事前に把握できていればいいです。しかし、個人では把握できない場合もあります。解体工事が始まった後にアスベストが使用されていることが分かった場合は、工期が組みなおされ、解体費用が大幅に追加される場合もあります。
現在では、アスベスト含有調査を専門にしている業者もあり、数万円程度で調査できる場合もあります。追加費用発生のリスクを防ぐために、専門業者に調査を依頼するのも1つの手段といえます。
仮に、アスベストの使用が判明した場合は、特別な処理によって除去されることになります。そのため、別途費用がかかります。除去費用の大まかな目安は以下の通りです。
- アスベスト処理面積300平米以下:平米単価2万円~8.5万円
- アスベスト処理面積300平米超1,000平米以下:平米単価1.5万円~4.5万円
- アスベスト処理面積1,000平米超:平米単価1万円~3万円
付随工事費用
解体に関わる付随工事の費用も、解体工事の費用に影響します。敷地内をすべて解体して更地にする「全撤去」での解体工事では、家屋以外にも解体が必要になるケースがあります。一例としては以下の通りです。
- 駐車場・車庫・ガレージ・カーポート・地下車庫の解体費用
- 倉庫・物置の解体費用
- ブロック塀の解体費用
- ユニットバス・タイル風呂の解体費用
- コンクリートの解体費用
- ウッドデッキの解体費用
- キッチンの解体費用
- 花壇・外構の解体費用
- 蔵の解体費用
- 浄化槽の解体費用
解体する建物の状態や設置物などによって、追加で費用が必要になる場合があります。
諸費用
その他には、解体工事を行うために必要な申請に掛かる費用や、ガードマン・誘導員が必要な場合は人件費などが解体費用に上乗せされます。
建坪別、家の解体費用の目安や相場
20坪の家の解体費用相場
地域 | 坪単価(木造) | 20坪の解体費用 |
---|---|---|
東京都 | 坪5万円想定 | 100万円 |
地方 | 坪3万円想定 | 60万円 |
地域によって解体費用の坪単価は異なります。
例えば、20坪の木造住宅の場合、60万円から100万円程度を目安として考えましょう。
30坪の家の解体費用相場
地域 | 坪単価(木造) | 30坪の解体費用 |
---|---|---|
東京都 | 坪5万円想定 | 150万円 |
地方 | 坪3万円想定 | 90万円 |
30坪の木造住宅の場合、90万円から150万円を目安に考えましょう。
40坪の家の解体費用相場
地域 | 坪単価(木造) | 40坪の解体費用 |
---|---|---|
東京都 | 坪5万円想定 | 200万円 |
地方 | 坪3万円想定 | 120万円 |
40坪の木造住宅の場合、120万円から200万円を目安に考えましょう。
50坪の家の解体費用相場
地域 | 坪単価(木造) | 50坪の解体費用 |
---|---|---|
東京都 | 坪5万円想定 | 250万円 |
地方 | 坪3万円想定 | 150万円 |
50坪の木造住宅の場合、150万円から250万円を目安に考えましょう。
60坪の家の解体費用相場
地域 | 坪単価(木造) | 60坪の解体費用 |
---|---|---|
東京都 | 坪5万円想定 | 300万円 |
地方 | 坪3万円想定 | 180万円 |
60坪の木造住宅の場合、180万円から300万円を目安に考えましょう。
100坪の家の解体費用相場
地域 | 坪単価(木造) | 100坪の解体費用 |
---|---|---|
東京都 | 坪5万円想定 | 500万円 |
地方 | 坪3万円想定 | 300万円 |
100坪の木造住宅の場合、300万円から500万円を大まかな目安と考えましょう。
建坪数が同じでも地域が違うと金額も異なる
仮に建坪数が同じ住宅を解体する場合でも、解体する地域によって金額は異なります。
大まかな目安は以下の通りとなります。
地域 | 坪単価 |
---|---|
宮城県・栃木県・埼玉県・東京都・神奈川県・長野県・大阪府・岡山県・徳島県・長崎県など | 坪3~4万円 |
北海道・秋田県・福井県・愛知県・和歌山県・鹿児島県・沖縄県など | 坪4~5万円 |
※あくまでも相場の目安であり、立地条件や大きさなどにより坪単価が変わることがあります。
地域ごとに解体費用が変わってくる理由
建物がある地域ごとに解体費用が変わってくる理由は、地域によって人件費や重機の使用料金、作業のしやすさに違いがあるためです。一般的には「地方」よりも「都市部」での費用の方が高い傾向にあります。
例えば、重機をレンタルする場合、事務所や重機置き場の家賃は、「地方」よりも「都市部」の方が高くなります。その分のコストが上乗せされるため、「都市部」の方が重機のレンタル料の相場が高くなるのです。
また、「地方」の場合は、解体する建物と周辺の建物との距離にゆとりがある場合が多いため、養生も足場の設置もしやすく、解体後の廃材の運搬も比較的容易に行えます。
都市圏では、隣家との距離が近いことが多く、解体作業を効率よく行えない場合があります。工期が長くなると費用はアップします。そのため、地方では相場が安く、都市部では相場が高くなるというわけです。
家の解体費用の内訳・項目
一般的な家の解体費用の構成
家の解体費用は以下の項目によって構成されます。
- 養生費
- 人件費
- 重機使用料
- 廃棄物処理費
養生費
養生費は、解体工事を行うために必要な仮説設備のための費用です。主には下記のような設備を設置するためのものです。
- 解体するための足場の設置
- 防音・防塵シートの設置
- 敷地内に重機が入るための敷き鉄板の設置
- 敷地を囲うためのゲートの設置
- 仮設トイレの設置
- 仮設水道・電気の設置
近隣に迷惑を掛けないよう円滑に工事を進めるための設備ですので、万全の準備が必要となります。
人件費
現場で作業する人や重機を運転するオペレーター、廃棄物の運搬を行う人、ガードマンなど、解体工事ではさまざまな人が作業に関わります。基本的に、1日何人が現場で稼働しているかを計算して人件費を算出します。
重機使用料
解体工事はすべて人力で行うわけではありません。建物の構造に合わせて重機も用います。基礎を壊したり、建材を裁断したりするための重機やクレーン車が必要になることがあります。一般的には重機はレンタルして工事で使用することになります。そのため、レンタルの日数に応じた費用が発生します。
廃棄物処理費
解体工事によって、木材や断熱材、基礎のコンクリート、屋根の鉄板など、さまざまな廃棄物が発生します。これらの廃棄物は分別して処分することが建築リサイクル法で決められています。そのため、処理費用が別途発生します。
一般的な家の解体費用の内訳
家の解体費用は以下の内訳によって構成されます。
- 仮設工事費用
- 建物解体工事費用
- 産業廃棄物処分費用
- 外構撤去及びその他の工事の費用
- 諸経費
東京都品川区の木造2階建て住宅の解体の依頼に対して、実際に提出された見積もりをもとに解体費用の内訳を確認していきましょう。解体工事案件の詳細は以下の通りです。
所在地 | 東京都品川区 |
解体種類 | 木造 |
建物/物件 | 木造住宅2階建て のべ床面積37坪 |
費用(見積額) | 160万円(税込) |
工事期間 | 5日間 |
仮設工事費用
仮設工事とは解体工事のための養生を行うもので、先述した養生費が発生します。
内訳 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 金額(円) |
---|---|---|---|---|
仮設水道設備 | 1.00 | 式 | 5,000 | 5,000 |
散水設備及び散水 | 1.00 | 式 | 5,000 | 5,000 |
重機回送 | 1.00 | 式 | 40,000 | 40,000 |
仮設足場 | 179.00 | m2 | 400 | 71,600 |
養生シート | 179.00 | m2 | 200 | 35,800 |
※あくまでも一例です。見積額・実際の工事費用は案件によって異なります。
建物解体工事費用
建物解体工事費用は、実際に建物(今回は住宅)を解体するために必要な費用です。
内訳 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 金額(円) |
---|---|---|---|---|
木造解体 | 37.00 | 坪 | 11,000 | 407,000 |
手壊し解体 | 4.00 | 坪 | 7,000 | 28,000 |
※あくまでも一例です。見積額・実際の工事費用は案件によって異なります。
産業廃棄物処分費用
家の解体工事で発生した廃材などは、産業廃棄物として分別処理する必要があります。素材などによって処理費用は異なります。
内訳 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 金額(円) |
---|---|---|---|---|
木くず | 337.00 | m2 | 5,000 | 5,000 |
コンクリート | 9.00 | m2 | 3,500 | 31,500 |
がれき類 | 3.00 | m2 | 18,000 | 54,000 |
ガラス・陶磁器類 | 2.50 | m2 | 15,000 | 37,500 |
廃プラスチック | 4.00 | m2 | 14,000 | 56,000 |
石膏ボード | 4.00 | m2 | 18,000 | 72,000 |
混合廃棄物 | 7.00 | m2 | 25,000 | 175,000 |
屋根材 瓦 | 4.50 | m2 | 3,000 | 13,500 |
※あくまでも一例です。見積額・実際の工事費用は案件によって異なります。
外構撤去及び、その他工事費用
全撤去の解体工事で外構や土間などの解体が必要な場合は、別途工事費用が追加されます。
内訳 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 金額(円) |
---|---|---|---|---|
土間撤去 | 25.00 | m2 | 36,000 | 90,000 |
全撤去の解体工事で外構や土間などの解体が必要な場合は、別途工事費用が追加されます。
諸経費
家の解体工事では、実際の解体作業以外にも、各官庁への申請、現場管理、廃材の運搬など、さまざまな手間が掛かります。その際は、それぞれにコストが掛かります。
内訳 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 金額(円) |
---|---|---|---|---|
所官庁申請手続き | 1.00 | 式 | 40,000 | 40,000 |
現場管理費 | 12.00 | 日 | 3,000 | 36,000 |
その他諸経費 | 1.00 | 式 | 40,000 | 40,000 |
廃材運搬費 | 1.00 | 式 | 120,000 | 120,000 |
値引き調整費 | ▲14,355 |
※あくまでも一例です。見積額・実際の工事費用は案件によって異なります。
一般的な一軒家の解体の流れ
一軒家を解体する場合の流れについて解説します。一般的には、以下の順に解体工事が行われます。
問い合わせ
家の解体工事を行う場合、はじめに解体業者へ問い合わせます。インターネットを通じて解体業者についてリサーチし、2社から3社程度に絞って問い合わせを行いましょう。
解体工事では複数の解体業者から相見積もりを行い、対応や金額などを比較したほうが良いです。1社に絞ることはおすすめしません。そうは言うものの、あまりにも多くの業者に問い合わせを行うと、後々の対応がたいへんになります。問い合わせは、あまり多くなりすぎないように注意しましょう。
また、解体業者についてリサーチする際、以下の点を確認しておくことが重要です。
- 解体工事業者としての資格を保有してるか
- 解体工事業者としてWEBサイトを所有しているか
- これまでの解体工事実績を公開しているか
- これまでの解体工事実績が豊富か
大前提として、解体工事業者としての資格を保有しているかどうかを確認しましょう。
業者選びでは、WEBサイトを保有しており、解体工事の実績を公開している実績が豊富な業者を選択することが大切です。WEBサイトがなく、実績の公開もしていない業者は、どのような実体なのかを確認する術がありません。後々トラブルになってしまう可能性もあります。
業者選びでは信頼できるかどうかがたいへん重要です。上記のポイントをしっかりチェックしておきましょう。
事前調査
問い合わせを行った解体業者による事前調査が行われます。解体工事の依頼者と解体業者で日程を調整したうえで、調査を行います。解体費用の項目となる家の構造や広さ、立地条件、アスベスト使用の有無、想定されてる廃棄物の量、付随工事が必要かどうかなど、さまざまな項目を確認します。
見積もり
事前調査が行われてから数日から1週間程度経過した後に、業者から見積もりが提出されます。複数の解体業者から相見積もりを行う場合は、各業者の見積もりが揃ってから比較をしましょう。その中から、希望に沿う業者を選定して工事を依頼します。
見積もりの項目が各業者で異なる場合は、抜けている項目や工事内容に漏れがないかどうかについて業者に質問しましょう。また、費用が高いと感じる項目があれば、価格交渉をしてみましょう。
契約
金額や対応に納得できる業者が決まれば、正式に解体工事を依頼し、業者と契約を結びます。解体工事の大小に関わらず、トラブルを防ぐためにも必ず契約書を作成して提携することが重要です。
契約を交わす場合は、契約書の内容に間違いなどがないか必ず確認しましょう。なお、工事代金の支払いのタイミングは解体業者によって異なります。契約のタイミングで業者に確認するようにしましょう。
着工前の申請
契約後は、実際に解体工事を行うための具体的な準備にはいります。解体工事に入る前には、各市町村への申請が必要です。申請の内容と必要書類は現場の状況によって異なりますが、主なものとして以下の申請が行われます。
- 建設リサイクル法・解体工事事前届出
- 特定建設作業開始の届出
- 騒音・振動届書
- 工事現場場所管轄警察署への届出・道路使用許可
- 再資源化等実施状況報告書届出
これらの届出が受理されて、工事の許可が下りたら解体工事を始めることが可能です。通常、これらの手続きは解体業者が代行して行ってくれます。依頼者が何か対応することはほとんどありません。
近隣あいさつ
各種申請が完了して工事許可が下りた後には、近隣の住民へのあいさつをしましょう。解体工事中は騒音や振動、埃などで近隣の方に迷惑を掛けることになります。工事中のトラブルの発生を防ぎ、万が一何か発生した場合に対応しやすくするために、事前にあいさつしておくことが重要なります。
一般的には、業者側の工事責任者もしくは担当者があいさつ回りを行う、もしくは、業者側の工事責任者もしくは担当者が依頼者に同行してあいさつ回りを行います。どちらの場合でも、業者側が、工事内容やスケジュールについて丁寧に説明してくれます。
配管・配線の撤去
解体工事を始める前に必ず行わなければならないことの、電気やガス、電話などを引き込んでいる配管・配線の撤去です。これらを撤去しないまま解体工事を行うのは非常に危険です。十分に注意しましょう。
電気・ガス・電話については、地域を管轄する各業者に依頼して撤去を行います。浄化槽は専門業者または解体業者に撤去を依頼します。BS・CATVは契約している業者に撤去を依頼します。
また、配管・配線の撤去については依頼者側が手続きをして行うケースがほとんどです。解体業者と段取りを組み、工事開始日の2~3日前には完了させておくようにしましょう。
養生・足場の組み立て
解体工事前の準備がすべて完了したら、いよいよ本工事です。解体作業を行うための足場や防音シート、防塵シートの設置を行います。また、重機を用いる場合は敷き鉄板の設置を行う場合もあります。
周辺・内部の物を撤去
家の周辺や内部にある家具類の撤去や不要な設備の撤去を行います。解体業者に引き取りを依頼する場合は、あらかじめ業務内容に含めてもらうよう依頼が必要です。
家の周辺や内部が空になったら、次に家の内部の造作物を撤去します。壁材や天井材、サッシ類、建具、住宅設備、断熱材、石膏ボード、瓦などを、職人が手作業で壊していき、分別しながら撤去していきます。
建物の解体工事
家の内部の造作物が撤去できたら、建物本体の解体に入ります。家の躯体を解体するために重機が使われます。家の高いところから順番に解体していきます。また、解体時に埃が飛ばないように、同時に散水を行います。
家の解体工事では、躯体工事が最も近隣住民の迷惑になりやすいです。そのため、業者から依頼者に現場にいるよう依頼されることがあります。緊張感を持って解体工事を進められるほか、近隣住民に対してどのような迷惑が掛かっているのかを依頼者自身が認識しやすくなります。そうすることで、万が一のことが起こっても対応しやすくなります。
廃材の撤去処理
解体工事によって発生する廃材は、素材によって処理する場所が異なります。そのため、部材ごとに分別して、各処分場へと運搬します。鉄素材に関してはリサイクルされますので、専用の受取業者に届けることになります。
地中理設物の撤去
建物の躯体の解体が完了後は、基礎部分の解体や地下室などの埋設物の解体を行います。また、解体工事によって発生した廃材などが埋まっていないか確認が行われます。ごく稀なケースとして、依頼者が認識していない埋設物が見つかる場合があり、追加費用が発生するケースもあります。
整地
敷地内のすべての解体工事が終わり、廃材の搬出が完了したら、土地の整地を行います。基本的には平らに整地します、しかし、土地の活用方法よっては傾斜をつけて整地するケースもあります。
例えば、解体後の土地を駐車場にする場合、アスファルト塗装を行うために、水勾配を考慮した整地を行う必要があります。土地をどう使うのかが明確になっている場合は、事前に解体業者と打ち合わせをしておきましょう。
整地が完了すれば、解体工事は終了です。依頼者が現場を確認したのち、引き渡しが行われます。一般的には、引き渡しが完了したのちに業者から請求書が送付されます。期日までに支払いを済ませましょう。
家の解体費用負担を軽減する方法
補助金の利用で家の解体費用負担を軽減する
家の解体工事にはまとまった資金が必要になります。しかし、自治体の補助金制度を利用すれば費用を一部に充てることができるのため、費用負担を軽減できます。ここでは、家の解体に利用できる補助金制度について解説します。
空き家解体などで費用負担される補助金制度
補助金を受けられる条件も自治体ごとに異なります。自治体の認定を受けるだけで済む場合や、耐震診断を受けることが条件になる場合があります。
- 老朽危険家屋解体撤去補助金
- 老朽危険空き家解体補助金
- 空き家解体補助金
- 空き家解体助成金
- 空き家解体費助成制度
- 都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
例えば、東京都台東区では「老朽建築物の除去工事費用の助成」という名目で、解体費用の助成を受けることが可能です。昭和56年5月31日以前に建築された建築物で、耐震診断の結果、倒壊の危険性が高いと判断されたものが助成の対象です。除去工事費(解体工事費)の3分の1以内(上限50万円)が補助されます。
なお、対象となるのは市税を滞納していない個人もしくは中小企業所有者です。不動産販売・貸付・貸駐車場を業とするものの当該業のための除却は除きます。
家の建て替えで費用負担される補助金制度
老朽化した家を除却して一定の基準を満たす住宅を建築する施主に対して、解体費用や建築費用の一部が補助される制度もあります。こちらも自治体によって対応や条件が異なります。事前に確認しておいた方がいいでしょう。
まずは自治体の解体費用の補助金制度を調べる
空き家などの解体に対する補助金制度の内容や条件、対応などは、各自治体によって異なります。まずは、空き家が所在する自治体に、対象となる制度があるかどうかを調べましょう。
利用できる補助金制度があるならば、積極的に利用することをおすすめします。なぜならば、解体工事は安いものではないからです。補助金・助成金を利用できれば、費用負担を減らすことも可能です。
費用負担が厳しい場合は解体費用専用ローンの利用も検討
解体工事の費用負担が厳しい場合は、解体専用ローンの利用を検討しましょう。JAや地方銀行などが独自に扱っているローンで、「空き家解体ローン」や「空き家解体応援ローン」などさまざまな名称で提供されています。
解体専用ローンは、担保や保証人なしでも利用できるケースが多いのが特徴です。借入れの上限額も金融機関によって異なります。事前に詳細を十分に確認してから利用を検討しましょう。
補助金以外で家の解体費用を安く抑える
自治体の補助金制度を利用する以外にも、家の解体費用を安く抑える方法があります。下記のポイントを押さえておきましょう。
- 事前に家財道具など不用品を処分する
- 事前に庭木や雑草の撤去処分をする
- 解体費用が高くなる時期を避ける
- 解体費用は複数業者に相見積もりをする
事前に家財道具など不用品の処分をする
工事が始まる前に家財道具などの不用品を処分することで、解体費用が安くなることがあります。なぜなら解体工事業者の作業の手間を減らすことで、手間分の金額を抑えられることを期待できるからです。
家の中にある家財道具によっては、別途処理代が必要になったり、廃棄物の総量が増えたりして、廃棄物の処分費用がかさむ要因になります。事前に処分すれば安く済むものは、あらかじめ処分することをおすすめします。特に、リサイクル法で処分方法が決められているテレビやエアコン、洗濯機、冷蔵庫などは自分で処分した方が安く済むケースが多いようです。
ただし、木製・プラスチック製・鉄製の家財道具は、一緒に解体してもらった方が安く収まるケースもありますので、解体業者に事前に確認しておくといいでしょう。
事前に庭木や雑草の撤去処分をする
工事が始める前に庭木や雑草などの撤去処分をした場合も、解体費用を抑えられることがあります。解体業者が庭木や雑草の撤去を行う場合、付帯工事として別途費用が発生します。そのため、自分で撤去しておけばその分のコストを削減できます。
ただし、庭木や雑草の処分方法は自治体ごとに定められています。そのため事前に確認する必要があります。また、木の根を地中に放置してしまうと害虫が発生する可能性があります。必ず掘り起こして確実に撤去することが大切です。
解体費用が高くなる時期を避ける
解体費用が高くなる時期を避けることで、解体費用を安くできることがあります。少しでも解体費用を抑えたい場合、下記の時期を避けて工事を依頼しましょう。
- 積雪の時期を避ける
- 年末から年度末を避ける
雪が多く降る地域では、積雪があると解体工事とともに除雪作業が必要です。その分の費用が上乗せされることがあります。雪が多い地域で冬に解体工事を依頼するのは避けたほうがいいでしょう。
また、年末から年度末にかけては、解体業者の繁忙期に当たります。特に年度末は公共事業が多くなり、通常の時期よりも忙しくなる業者が多いです。この時期は、意中の業者に解体を依頼できなかったり、解体費用が割高になったりすることがあります。注意が必要です。
解体費用は複数業者に相見積もりをする
解体費用は業者に相見積もりをすることで安く抑えられることがあります。複数の業者の見積もり額を比較することで、解体費用の安い業者を見つけやすくなります。
解体費用は業者によって価格が異なります。1社に見積もりをしてもらうだけでは、その費用が安いのか高いのか判断できません。そのためにも、相見積もりを行うことが大切です。
また価格交渉がしやすくなるのも、相見積もりを行うメリットといえます。ただし、見積もり額があまりにも安い業者には注意が必要です。作業に関わる人数を減らしていたり、廃棄物を適切に処分しなかったりするなど、工事の質が悪くなる可能性があります。
最終的には工期が伸びて追加費用を請求されたり、トラブルが発生して修理費用などの余分な出費につながったりすることがあります。当サイトを参考に、ある程度の相場観を持ったうえで、見積もり額の比較を行いましょう。
解体費用の一括見積もりを使うと手間なく簡単に行える
家の解体費用について業者を複数選択し、それぞれに問い合わせをして見積もりを出してもらうことは、思っているよりも手間が掛かります。そのような場合は、解体費用の一括見積もりサービスを利用することをおすすめします。
一括見積もりサービスでは、建物の種類や階数、住所、延床面積などの情報を入力するだけで、複数の業者が概算見積もりを出します。手間を掛けずに複数業者に相見積もりを依頼できるうえ、工事を依頼する解体業者を見つけやすいのが、一括見積もりサービスを利用するメリットです。
実家や空き家の解体を考えている場合は、ぜひ利用を検討してみてくださいね。
家の解体費用に関する良くある質問と回答
見積もりだけをお願いできますか?
可能です!
ほぼすべての解体業者は、家の解体の見積もりの依頼・現地調査・見積もりの提示まで無料で行います。そのため、相見積もりを取る場合でも、見積もりに掛かる費用はかかりません。
解体工事中に誤って
隣家などを破損した場合の費用負担は?
解体業者が負担します!
万が一、解体工事中に隣家などを破損したしまった場合は、その分を解体業者が負担して賠償することになります。解体業者はこのような事態に備えて保険に加入しています。業者の過失による損害については、依頼者が負担することはありません。
追加料金が発生することはある?
あります!
見積もり額に納得して解体工事を始めたとしても、のちに追加料金が発生することがあります。例えば、下記のような場合です。
- 地中に埋設物(地中埋蔵物)が見つかった場合
- リフォームにて室内壁・外壁・屋根を古い建材の上に張った2重構造であることが発覚した場合
- 基礎全体にコンクリートが打ってある場合
自宅を新築した場合は、依頼者が上記について把握している可能性がありますが。しかし建売住宅やリフォームした中古住宅を購入した場合、埋蔵物やリフォーム工法について把握しきれていない場合があります。これらは家を解体してみないとわからないケースもあるため、解体工事中に追加費用が発生することがあります。
見積もりとは想定外の事態が発生した場合は、解体業者から連絡があり、対処について相談されます。上記についても解体・撤去する場合は、追加工事分の費用や日数について提案されます。
まとめ
今回は家の解体費用の相場や、費用負担を軽減する方法などを解説しました。
家の解体費用の相場の目安は、20坪の木造住宅で60万円から100万円程度、30坪なら90万円から150万円程度となりますが、立地条件や現在の状況に加え、廃棄物の量、付随工事の内容など、さまざまな条件によって異なります。
家の解体費用負担は相見積もりや補助金制度の利用で軽くできる
家の解体にはまとまった資金が必要です。できるだけ費用負担を減らすためには、複数の解体業者に相見積もりを取って金額を比較したり、価格交渉をしたりすることが重要です。
また、家が所在する自治体によっては、解体工事を行う場合の補助金制度がある場合があります。うまく活用すれば、解体工事の費用負担を軽減することができます。本記事を参考に、工事に掛かる費用と相場と費用負担の軽減方法を把握して、効率よく解体工事を行うようにしましょう。