具体例から考える!
50坪の解体工事にかかる費用相場や工期は?
50坪の家を解体したいです。
工事費用と工事の期間の目安ってどのくらいなのでしょうか。
建物の構造や周辺の状況により異なります。
こちらの記事で詳しく解説します!
すごくわかりやすくて助かりました!
家屋や建物の解体工事を依頼する際に、おおよその費用や工期について把握したいという方も多いと思います。その中でも50坪程度の建物を解体する場合は、どれくらいの費用や工期がかかるのか疑問に思う方もいるかと思います。そこで今回は、50坪の建物に注目して費用相場や工期について解説を行っていきます。その他、建物本体の解体以外にかかる費用や費目などもご紹介していますので、どうぞご覧ください。
50坪の解体工事にかかる費用相場
それでは、50坪の解体工事にかかる費用相場から解説していきます。
まず、以下の2点が解体費用の決定に与える要因が大きいことを理解しておきましょう。
- 建物の構造
- 建物の面積
上記の2点で大まかな費用が決まる部分も多く、面積に関してはいわゆる坪単価という形でおおよその計算が行われることがあります。
それぐらい費用計算において大きなウェイトを占めているのが建物の面積であり、50坪という坪数も1つのキーになる数字です。実際にどれくらいの費用が必要となるのか、そのイメージを膨らませながら確認を進めていきたいと思います。
構造と地域による違いを意識
まず、50坪の建物を解体する場合の費用について、構造と地域による違いを意識することがポイントとして挙げられます。50坪の建物に限った話ではありませんが、構造と地域を意識することはとても重要です。地域による違いも踏まえることで、より一層費用について理解しやすくなります。
構造に関して言えば、木造なのか鉄骨造なのか、それとも鉄筋コンクリート造なのかといった部分で解体費用に差が出てきます。
また、地域に関して言えば、関東地方で工事を行うのか、あるいは北海道・東北地方で行うのか、九州地方で行うのかといった部分でも違いが出てくることがあります。特に東京は他の地域と比べても解体費用が高くなりやすいと言われています。
そういった地域性も意識しつつ、最終的に業者から提示される金額が適正なのかどうか判断することも大切なポイントです。
木造
それでは、解体費用について具体的な数字を確認していきましょう。上記でも取り上げたように、建物の構造と地域による違いを意識することが費用相場を理解するための第一歩です。その視点を持つことで、よりリアリティーのある費用相場をイメージすることができます。
木造の1坪当たりの費用と50坪の費用に関して、地域ごとにまとめてご紹介します。
おおよそのイメージとして理解を深めていきましょう。
地域 | 坪単価 | 50坪の費用相場 |
北海道・東北地方 | 3万2,000円 | 160万円 |
関東地方 | 3万7,000円 | 185万円 |
中部地方 | 3万5,000円 | 175万円 |
関西地方 | 3万5,000円 | 175万円 |
中国・四国地方 | 3万3,000円 | 165万円 |
九州・沖縄 | 3万3,000円 | 165万円 |
上記のように、坪単価や50坪の解体費用は地域によって差が出てくることが特徴です。関東地方の坪単価は3万7,000円となっていますが、東京都内の一部地域では4万円から5万円程度まで跳ね上がることがあります。
最終的な金額については、解体業者に尋ねるようにしてください。
他の構造と比べた場合に、木造が一番解体費用を抑えやすいです、それは、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて取り壊しをしやすいことが関係しています。そうした構造的な部分の特徴について押さえておくことも重要なポイントとなります。
鉄骨造
続いては、鉄骨造の解体費用相場についてご紹介します。鉄骨造の場合は木造よりも頑丈なつくりとなっているので、解体に手間や時間がかかりやすくなります。そのため、坪単価や50坪の建物を解体する際の費用も高くなりやすいところが特徴となります。
木造の時と同様に、坪単価と50坪の費用相場をまとめて確認していきましょう。
地域 | 坪単価 | 50坪の費用相場 |
北海道・東北地方 | 3万8,000円 | 190万円 |
関東地方 | 4万5,000円 | 225万円 |
中部地方 | 4万円 | 200万円 |
関西地方 | 4万円 | 200万円 |
中国・四国地方 | 3万9,000円 | 195万円 |
九州・沖縄 | 3万9,000円 | 190万円 |
上記が地域ごとのおおまかな費用相場です。木造の時と比べて、やや費用が高騰していることがわかります。建物の立地条件や立地場所によってはさらに費用が高くなることがあります。
鉄筋コンクリート造
続いては、鉄筋コンクリート造を解体する場合の費用相場について見ていきたいと思います。
木造や鉄骨造と比較した場合、建物の構造として最も頑丈なつくりになっているのが鉄筋コンクリート造の特徴です。
その分、作業の時間も工期も長くなりやすい構造と言えます。
そうなると人件費も高くなるため、費用高騰につながりやすい側面があります。
それでは、地域ごとの費用の違いを一覧にまとめていきます。
地域 | 坪単価 | 50坪の費用相場 |
北海道・東北地方 | 4万7,000円 | 235万円 |
関東地方 | 5万5,000円 | 275万円 |
中部地方 | 5万2,000円 | 260万円 |
関西地方 | 5万3,000円 | 265万円 |
中国・四国地方 | 4万9,000円 | 245万円 |
九州・沖縄 | 4万8,000円 | 240万円 |
上記がおおまかな費用目安です。解体費用が軒並み200万円台に上ることが多く、その他の構造と比べてまとまった資金が必要となります。
特に東京都内の場合は、坪単価が6万円から8万円程度に上ることもあります。そのため、最終的に300万円から400万円程度の費用が必要になることも珍しくありません。
鉄筋コンクリート造の建物は、
より頑丈なつくりとなっていることが費用面にも影響すると抑えておきましょう。
アパートや長屋の場合
ここまで建物の構造に注目をして解説を行ってきましたが、建物の形態にも注目していきます。まずは、50坪のアパートや長屋を解体する場合にかかる費用目安からご紹介します。
長年使用してきたアパートや長屋が不要になることもあるでしょう。その際に検討するのが解体工事であり、建て替え工事や土地の売却などに向けて一歩を踏み出すことができます。アパートや長屋の解体に関しても、地域ごとに相場が異なる部分があるので、それぞれの費用規模について確認していきましょう。
地域 | 坪単価 | 50坪の費用相場 |
北海道・東北地方 | 3万3,000円 | 165万円 |
関東地方 | 3万7,000円 | 185万円 |
中部地方 | 3万5,000円 | 175万円 |
関西地方 | 3万6,000円 | 180万円 |
中国・四国地方 | 3万3,000円 | 165万円 |
九州・沖縄 | 3万2,000円 | 160万円 |
上記がアパートや長屋を解体する場合のおおよその費用相場となります。
上記の金額については、建物の構造を考慮していないので注意が必要です。基本的に、一番安い場合の坪単価と費用相場だと考えておくと良いかと思います。
アパートや長屋の場合、木造で建てられていることが多いため、木造の場合は比較的上記の金額に近い費用を提示されることが多くなります。
一方で、アパートや長屋でも鉄骨造の場合は費用高騰の恐れがあります。解体予定の建物の構造も意識しつつ、資金計画を立てることがポイントです。
店舗や工場の場合
最後に、50坪の店舗や工場のケースについて取り上げます。店舗や工場に関しても、地域によって費用に差が出ることがあります。
店舗や工場を解体する場合の地域ごとの解体費用については以下の通りです。
地域 | 坪単価 | 50坪の費用相場 |
北海道・東北地方 | 3万4,000円 | 170万円 |
関東地方 | 3万7,000円 | 185万円 |
中部地方 | 3万4,000円 | 170万円 |
関西地方 | 3万6,000円 | 180万円 |
中国・四国地方 | 3万3,000円 | 165万円 |
九州・沖縄 | 3万2,000円 | 160万円 |
店舗や工場の解体費用に関しては、アパートや長屋の解体と近しい部分があります。上記の金額も基本的には木造の建物を解体する場合と想定しておきましょう。
店舗や工場の場合は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造のつくりとなっていることも珍しくありません。頑丈な構造になるほど解体費用も高騰します。
また、工場の解体に関しては爆発の危険性などもあるため、事前調査も含めてより慎重に作業が行われることになりますが、その分、人件費の高騰や特殊器具の使用料が加算されることもあるので覚えておきましょう。
50坪の解体工事にかかる工期
ここからは、50坪の解体工事にかかる工期について取り上げていきます。50坪の建物を解体する場合、費用も気になるところですが、同様に工期について気になるという方も多いでしょう。
実際に、どれくらいの期間で解体工事を終えることができるのか知りたいという施主の方は多いです。おおよその工期を把握することによって、解体スケジュールも立てやすくなりますし工期に関しては築年数によって違いが出てくる部分もあります。そうした視点も持ちつつ、50坪の解体にかかる工期について確認していきましょう。
築年数による違い
50坪の解体工事にかかる工期としては、築年数による違いを意識することがポイントです。築年数が10年未満など、比較的新しい建物であれば特に心配なく工事を進めることができます。
一方で、築年数が30年から40年程度、あるいは50年以上経過している場合などは、工期も長くなりやすくなります。築年数が古い場合、長年の経年劣化の影響で木材や鉄骨、コンクリートなどの建設資材が腐食してしまっているケースも少なくありません。
腐食の状態がひどい場合、その状態を確認しながら慎重に作業を行うことになります。何故なら取り壊しを始めた途端に建物全体が崩れ落ちてきてしまうリスクがあるからです。
築年数が古くなれば古くなるほど、建物全体の老朽化が進み、建物を支える基盤やパワーが弱くなっていることがあります。そうした建物に関しては取り壊しを開始する位置や手順を含めて、通常の解体工事よりも慎重に行うことが求められます。その分、工期も長くなるという特徴があります。
また、築年数が古い建物に関しては、アスベストが使用されている可能性もあります。アスベストは人体に危険な影響をもたらすことがわかっているため、原則として2006年以降に建てられた建物については使用禁止とされています。
一方で、2006年以前に建てられた建物に関してはアスベストが使用されている可能性があります。築年数が古い場合、アスベストのような危険な物質が使われていないかどうか調査することも含めて、時間と費用がかかることが一般的です。
総じて、築年数が古い建物の方が工期が長くなりやすいと覚えておきましょう。
築30年から40年程度の場合
それでは、築30年から40年程度の建物を解体する場合の工期についてご紹介します。建物を解体するのはある程度築年数が経過してからのことが多いでしょう。そのため、築30年から40年という期間は解体を意識する1つの目安となる年数です。
それより早く解体工事を行うこともありますが、その場合は工期が長くなり過ぎる心配をする必要はありません。建物の劣化や腐食が激しくなければ、通常のペースで解体工事を行うことが可能だからです。
まずは1つの目安として、築30年から40年程度の工期を頭に入れておきましょう。目安となる工期については以下の通りになります。
- 平屋の場合:10日間~2週間程度
- 2階建ての場合:2週間~3週間程度
上記が解体にかかる大まかな目安です。築30年以上経過している場合は、ある程度の腐食や劣化が進行していることも想定されます。2階建てなのか平屋なのかといった違いもありますが、最低でも10日間以上かかることは想定した上で、解体スケジュールを組むことが大切になります。
築50年以上経過している場合
続いては、50坪の建物で築50年以上経過している場合の工期について見ていきます。築30年から40年の場合もそうですが、築50年以上経過している場合は、建物の老朽化や劣化が相当進んでいると考えられるため、途中で補修や修繕工事などを行っていても、梁や柱、構造自体の劣化が進んでいることがあります。
そうしたことを考慮すると、通常の解体工事よりも慎重に作業を行う必要があり、倒壊のリスクを未然に防ぐことが求められるため、その分、解体工期が長くなる可能性があることを押さえておきましょう。
具体的な目安としては、以下の工期が挙げられます。
- 平屋の場合:2週間~3週間
- 2階建ての場合:2週間~4週間
築50年以上経過している建物に関しては、実際のところ少なくとも2週間程度の期間が必要になります。それだけ慎重に作業を行うことが大切であり、作業員の安全性も確保することがポイントです。施主としてもそうした視点を持って、業者とのコミュニケーションを図っていくと良いでしょう。
30坪の物件と比較
50坪の物件の工期について理解を促進するために、30坪の物件ではどのくらいの工期となるのかご紹介します。一軒家の30坪でもある程度の広さがありますが、50坪の場合と同様に築年数が古くなれば古くなるほど、工期も長くなる傾向があります。
その工期について、築30年から40年程度のケースについて見ていきましょう。
- 平屋の場合:5日間~10日間
- 2階建ての場合:1週間~10日間
築50年以上経過している場合は、以下の工期が目安となります。
- 平屋の場合:10日間~2週間
- 2階建ての場合:10日間~2週間
30坪の場合は解体する面積自体が少ないので、50坪よりは工期が短くなる傾向にあります。それでも築年数が古くなれば慎重に作業を行うことが大切です。
築年数が浅くても慎重さは求められますが、古い物件についてはより一層その意識を大切にすることが求められます。
50坪の解体以外に発生する可能性がある費用
ここからは、50坪の建物を解体する以外に発生する可能性がある費用について取り上げていきます。50坪の建物を解体する場合、建物本体の解体費用以外に付随する費用が発生することがあります。
例えば、付帯工事や埋設物の撤去にかかる費用を挙げることができます。施主としてはそうした費用が発生することも考慮しつつ、資金計画を進めることが求められます。その具体的な内容について確認していきましょう。
付帯工事費用
まずは、付帯工事費用について見ていきます。50坪の建物を解体する場合、特に一軒家などでは庭にあるものやベランダにあるものの撤去を依頼することもあるでしょう。建物本体以外に解体や撤去が必要なものに関しては、基本的に付帯工事の扱いとなり、別途費用が徴収されます。
具体的には、以下のような撤去や解体を挙げることができます。
- 庭石・庭木
- ブロック塀
- 室内残置物
- 倉庫・物置
- カーポート
- 門扉
- フェンス
- 自転車置き場
- 残土処分
- 土間コンクリート
- ガレージ など
上記の撤去や解体については付帯工事と見なされ、あらかじめ解体業者が設定している基本料金をもとに追加費用を請求されることになります。
例えば、ブロック塀の撤去であれば面積によって単価が決まっていることが多く、庭木などであれば1本あたりいくらという形で計算が行われることが多いです。
付帯工事の費用については、業者によってまちまちです。撤去するものが多くなれば多少の値引きに応じてくれることもあります。価格交渉も含めて、最終的な費用は業者に確認することがポイントです。
埋設物の撤去費用
続いて、建物本体の解体以外にかかる費用として、埋設物の撤去費用を挙げることができます。埋設物とは地中に埋まっているごみや廃棄物などのことで、場合によっては井戸や浄化槽などが埋まっていることもあります。
埋設物は建物を解体してみないとわからない部分もあり、施主にとっては不安な思いにかられることも少なくありません。以前実施された解体工事の際に廃棄物処理が適切に行われずに、コンクリートや瓦、木材などの建設資材が埋まっていることもあります。
地中に埋設物や障害物が埋まっていた場合は、基本的に施主の負担で撤去しなければなりません。そのままにしておくと、その後の土地活用に悪影響を及ぼすことがあるので、発見された時点で撤去する方向性で話し合いを行う必要があります。
撤去費用に関しては、数万円から数十万円単位になることが多いです。撤去費用はごみや廃棄物の種類によっても変わっていきます。解体業者とコミュニケーションを取りつつ、できるだけ負担の少ない手段を選ぶと良いでしょう。
アスベストの除去費用
建物にアスベストが使用されている場合も、建物本体の解体費用とは別に除去費用を請求されることになります。アスベストには発がん性物質が含まれていることがわかっており、現在では原則として使用が禁止されています。
しかし、築年数が古い建物に関してはアスベストが使用されていた可能性もありますので、事前の家屋調査も含めて使用の有無をしっかりと判別する必要があります。
万一、アスベストが使用されていることが分かった場合、解体工事に入る前にアスベストを除去しなければなりません。除去費用に関しては、除去面積によって一定の目安があります。
アスベストの除去面積 | 除去費用 |
300㎡以下 | 2万円〜8万5,000円/㎡ |
300㎡〜1,000㎡以下 | 1万5,000円〜4万5,000円/㎡ |
1000㎡以上 | 1万円〜3万円/㎡ |
除去面積が小さいと、費用の目安に幅が出てくるので注意が必要です。アスベストが使用されている箇所や量によって、費用に差が出てくることも珍しくありません。また、アスベストの除去は専門的な教育や研修を受けた人材しか行うことができないため、人件費が高くなりやすいことが特徴となります。
最終的には数十万円単位から、場合によっては数百万円単位の費用がかかることがありますので、アスベストが使用されている場合は、相応の費用負担が発生することを覚悟しておきましょう。
50坪の解体費用が相場より高くなる要因
ここからは、50坪の解体費用が相場よりも高くなる要因についてまとめていきます。50坪の解体工事を行う場合は、坪単価や構造、地域性などによって目安となる費用計算を行うことができます。
しかし、一般的な相場と言われる金額よりも費用が高くなることがあるのも事実です。具体的に、どういったケースで相場よりも高くなるのかについて見ていきましょう。
地鎮祭やお祓いの実施
まず、解体費用が相場よりも高くなる要因として、地鎮祭やお祓いの実施を挙げることができます。地鎮祭やお祓いは絶対に行わなければならないものではなく、人によって判断が分かれるところです。
それでも解体工事の安全や無事に終了することを願って、解体前に地鎮祭やお祓いを実施するケースがあります。
地鎮祭
土木工事や建設工事、解体工事などを行う前に土地の守護神を祀り、土地を利用させてもらうための許可を得る儀式。工事の無事を祈ることが大きな目的で、「安全祈願祭」と呼ばれることもある。
地鎮祭やお祓いを実施する場合は、神主へのお礼やお供え物にかかる費用として約3万円程度の費用が発生すると想定しておきましょう。地鎮祭の規模やお供え物の量などによっては、さらに費用が高騰することもあります。
いずれにしても解体費用とは別途必要となるので、頭に入れておくことがポイントです。
2階建て以上の建物を解体する場合
続いての一般的な費用相場よりも高くなる要因として、2階建て以上の建物を解体する場合が挙げられます。同じ50坪の建物を解体する場合でも、2階建てや3階建てと比べて平屋の場合は建物の高さがないので、高所まで届く重機がなくても工事を行えますので、平屋の方が費用が安くなることがあります。
また、平屋を解体する場合は、足場を設置せずに作業を行えることもあります。その場合は、足場の設置費用を負担する必要がなくなるので、全体的に金額が下がることがあります。
一方で、2階建てや3階建ての建物を解体する場合は、高いところまで届く大型の重機やクレーン車などが必要になることがあります。その際は重機運搬料や使用料が加算されることにあります。
また、建物に高さが出てくることで足場を設置しなければなりません。その設置費用に関しても施主の負担となり、総額が高まる可能性が出てきます。総じて、2階建て以上の建物を解体する場合は、一般的な相場よりも解体費用が高騰することが多いと言えます。
平屋の場合も注意
一般的には2階建て以上の建物の方が相場よりも高くなることが多いですが、平屋だからと言って安心はできません。平屋の場合でも解体費用が高騰することがあります。
平屋の場合、高さがない分、縦長や横長の建物であることが多いです。その際は、基礎部分や屋根部分が2階建てや3階建てよりも大きくなるため処理面積も増えます。
屋根や基礎部分の処理面積が増えれば、その分、排出される産業廃棄物の量が多くなるため、廃棄物処理にかかる費用がかさむことが考えられます。
また、平屋の場合は築年数が古い物件も多く、倒壊の危険性も高くなりやすいです。そういった状況では重機を使って解体することができず、手作業による解体が中心となることがあります。
いわゆる手壊し解体と呼ばれる工法ですが、手作業の場合は手間がかかるため工期が延びやすくなります。それだけ人件費の高騰につながり、施主の費用負担が高くなることがあります。
こうした理由で、平屋を解体する場合でも費用が高くなることがあるので注意しておきましょう。
車両の駐車スペースがない
さまざまな理由や要因で解体費用が高騰することがありますが、その他の要因として車両の駐車スペースがないことも挙げられます。解体工事を行う場合は、基本的に解体現場近くに重機やトラックを駐車させて作業を行います。それが一番効率的であり、作業員にとっても負担が少ないです。
しかし、解体現場が狭小地であったり住宅密集地であったりすると、なかなか車両やトラックを駐停車させられないことがあります。その際は、解体現場付近の有料駐車場などを利用して車両を駐車させることになります。
その場合に発生する駐車料金は基本的に施主の負担となり、費用高騰の原因となります。
また、重機を停車させるスペースがない場合、手壊し解体が中心になることもありますので、作業に時間がかかって人件費が高騰するため、最終的な費用負担が高まっていきます。
解体現場周辺の状況や環境によっても費用差が出てくることを覚えておきましょう。
ハウスメーカーや工務店経由での依頼
さらに相場よりも解体費用が高くなる要因として、ハウスメーカーや工務店経由での依頼も挙げることができます。建て替え工事を行う場合は、ハウスメーカーや工務店に新築工事の依頼をすることが多いでしょう。
建物の建設に関しては問題ありませんが、ハウスメーカーや工務店側で解体工事まで行うことはできません。そうなると、別の解体業者を紹介して解体工事を行ってもらうことになります。
その際に発生するのが中間マージンと呼ばれる仲介手数料です。ハウスメーカーや工務店から解体業者を紹介してもらうと、その紹介料として中間マージンが徴収されます。
中間マージンは工事代金の10%から20%程度に上ることもあり、決して安い金額ではありません。できるだけ費用負担を軽減したいのであれば第三者に紹介してもらうのではなく、施主自ら解体業者を探すことが重要です。
第三者を経由して解体業者を紹介してもらうと、その分の費用がかさむことになるので注意が必要になります。
処分する残土量が多い
処分する残土量が多い場合も、相場より解体費用が高くなることがあります。残土とは解体工事を通して発生した土のことで、量が多い場合は処分することがあります。残土の処分の流れとしては、以下のような形をとります。
- 漉き取り(すきとり)
- 積み込み
- 運搬
漉き取り
敷地の地面の起伏をなくすために土を削り取る作業のこと。
上記の流れで残土処分を行うことになります。解体後の土地に新築物件を建設する場合や、土地の売買などを行う場合に、残土処分を行ってきれいな状態にしておきます。
その処分にかかる費用としては、1㎡あたり1万円程度が相場と言われています。処分する残土量や面積が大きい場合、費用がどんどん高くなり、特に50坪もの規模があると、想定以上に費用が膨らむことがあるので気をつけておきましょう。
安ければ良いわけではない
さまざまな理由や原因で解体費用が高騰することがありますが、単純に安ければ良いというわけでもありません。施主としてはできるだけ安い費用で工事を依頼したいと思うところですが、解体工事を行うためには一定の費用がかかることは間違いありません。
人件費や重機運搬費、付帯工事費やその他の費用などを含めて解体対象物に合わせた適正金額が設定されます。
複数の業者に見積もりを依頼すると、1社だけで明らかに安い金額を提示してくることがあります。その場合、本当に企業努力で安い金額を提示しているのであれば問題ありませんが、悪徳業者の可能性もあります。
例えば、不法投棄をして廃棄物の処分費用を浮かせたり、人件費を削減するために少ない人員で作業をしたりしようとすることもあるでしょう。あまりにも金額が安い場合は契約だけ取って後から追加費用を多く請求しようと考えている所もあります。
こうしたことを考慮すると、何でも安ければ良いというわけではなく、他社から提示された金額も考慮しつつ、適正金額だと思える業者に工事を依頼することがポイントなります。
まとめ
50坪の建物の解体工事を行う場合に注目をして具体的に解説を行ってきました。解体費用を計算する上では、坪単価と呼ばれる考え方を押さえておくことが重要です。その中で建物の構造や地域性などが考慮されて最終的な金額計算が行われます。
その他、建物本体以外に費用が発生することも珍しくありません。50坪の敷地があれば、庭などにさまざまなものやエクステリアが設置されていることがあるでしょう。そうしたものを撤去したり解体したりする場合は、別途費用がかかることが一般的です。最終的な費用は解体業者に確認しつつ、納得いく形で解体工事を進めていけるようにしましょう。
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