解体工事で補助金や助成金を受けたい!
支給の主な条件を紹介!
補助金や助成金って解体工事にはあるの?
それには本記事をご参考ください!
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家屋や建物の解体工事を行う場合に、補助金や助成金を受けることができるのかと疑問に思う方もいると思います。そこで今回は、解体工事と補助金や助成金の関係に焦点を当てて具体的に解説を行います。
解体工事では多額の費用がかかることも珍しくなく、施主としては少しでも費用負担を軽減したいと考えることもあるでしょう。そこで活用したいのが補助金や助成金といった制度です。実際に補助金や助成金の支給を受けることができるのか、支給対象となるのか、主な条件も含めて取り上げていきます。解体工事を依頼する際の参考としてご覧ください。
解体工事での補助金や助成金とは?
それでは、解体工事と補助金や助成金の関係に注目をして解説を進めていきます。
解体工事を行う際は、一定の要件や条件を満たすことで補助金や助成金を支給してもらうことが可能です。補助金や助成金は家屋や建物を取り壊すための費用として支給されるものであり、施主としては経済的な負担を和らげることができます。
補助金や助成金の目的、どういった制度なのか、補助金の種類なども含めて理解を深めることが重要です。解体工事における補助金や助成金とはどんなものなのか確認していきましょう。
補助金や助成金の目的
まずは、解体工事を行う際に補助金や助成金が支給される目的について説明します。家屋や建物の解体に際して補助金や助成金が支給される理由として、以下のようなものが挙げられます。
- 街の景観を保つため
- 放火や犯罪を防ぐため
- 不法投棄や害虫の発生などを防ぐため
- 違法薬物の取引場所となる可能性を防ぐため
- 倒壊などによる近隣への危険性を排除するため
- 周辺住民の生活に悪影響を及ぼすことを防ぐため etc…
主に上記のような理由で補助金や助成金が支給されることがあります。特に空き家など、長い間人が住んでいないような家屋に関して、特定空き家と認定されて補助金や助成金の支給対象となりやすいです。
特定空き家
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、または著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことで著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にある空き家などのこと。
国内では空き家の件数が年々増加しています。
放置しておくと街の景観が損なわれたり、放火や犯罪の温床になったりする恐れがあります。また、解体工事や建設工事の際に出る建築資材の不法投棄場所にされたり害虫の発生につながったりするなど、生活環境に悪影響を及ぼすリスクがあります。
そうしたリスクや悪影響を回避することが重要です。その背景から、補助金や助成金制度が確立されたのもあります。つまり、空き家を中心に不要となった建物の解体工事を促進させる目的で補助金や助成金制度が設立されたと考えることができます。
国ではなく自治体の制度
補助金や助成金制度に関して、国ではなく自治体の制度だと認識することが大切です。「空き家再生等推進事業」の一環として国が立ち上げた制度の一環ではあります。しかし、解体費用の支給をしてくれるのは各自治体です。国は自治体に対して補助金の一部を補填する役割を担っていますが、基本的には自治体の制度だと考えることができます。
したがって、補助金や助成金制度の名称は自治体によってさまざまであり、受け取れる金額や補助金適用の条件なども自治体ごとに異なります。また、全ての自治体で補助金や助成金制度を実施しているわけではないです。そもそも解体費用の一部を受け取ることができないケースもあります。
国が行っている制度であれば全国どこでも制度を活用することができます。自治体の制度となるため、まずは自治体に問い合わせることが大切です。そこで要件などを確認すると良いでしょう。
補助金の種類
解体工事の際に支給してもらえる補助金には、いくつかの種類があります。自治体によって名称が異なることもあります。主な補助金の種類としては以下のものが挙げられます。
- 老朽危険家屋解体工事補助金
- 危険廃屋解体撤去補助金
- 木造住宅解体工事費補助事業
老朽危険家屋解体工事補助金
老朽危険家屋解体工事補助金とは、長期間にわたって維持や管理がされることなく放置された家屋を対象として支給される補助金です。そのまま放置しておくと倒壊する危険性がある建物に対して、補助金を支給することで解体を促進する目的があります。
危険廃屋解体撤去補助金
危険廃屋解体撤去補助金とは、危険があると判断された家屋を対象に補助金が支給される制度です。周辺住民の安全や安心を考慮して、住みやすい環境を整える目的で解体工事を促進するために、補助金や助成金を支給しています。
木造住宅解体工事費補助事業
木造住宅解体工事費補助事業とは、実際に耐震診断を行った上で倒壊の危険性が高いと判断された家屋に対して解体費用の一部負担をしてくれる制度です。木造住宅の耐震補強工事や解体工事の費用も一部負担してもらうことが可能です。まずは、耐震診断をすることで支給要件を満たすかどうか判断することが求められます。
補助金と助成金の違いとは?
補助金と助成金の違いについても確認していきます。両者は似た言葉として捉えられることもありますが、厳密には意味が異なる言葉です。それぞれの意味について見ていきましょう。
- 補助金:あらかじめ予算が設定されており、予算内であれば支給対象となる。反対に、予算を超えてしまうと支給要件を満たしていても補助を受けられないことがある。
- 助成金:基本的に支給要件を満たしていれば、多くのケースで助成を受けることができる。予算などは特にない。
補助金と助成金には厳密に言えば、上記のような違いがあります。しかし、こうした違いを明確に区別して使用している自治体は多くありません。両者を同じ意味として使用しているケースが多いです。そのため、言葉の表記は違っていても基本的には同じ意味だと捉えておいて問題ありません。
補助金や助成金を受けられる要件
解体工事の際に補助金や助成金を受けられる要件の一部の例を挙げてご紹介します。
家屋や建物の解体に際して補助金などが出るには、一定の要件を満たすことがポイントです。なぜならば、自治体によって予算が設定されているため、どんな解体工事でも補助金を支給するわけにはいかないためです。
その要件としては、以下のようなものが挙げられます。
- 1年以上住んでいない、またはその他の用途に活用されていない
- 個人所有の物件である
- 一戸建て住宅、または併用住宅である etc…
主な要件としては上記のようなものが挙げられます。1つ1つの細かい条件については、この後の段落で取り上げていきます。そちらもあわせてご覧ください。
1年以上誰も住んでいない空き家などの場合、まだ十分に住むことができると判断された場合、解体費用の補助金を受けられないことがあります。改めて自治体によって要件や判断基準が異なることを理解した上で、指示を仰ぎましょう。
補助金や助成金を受けられる主な条件
ここからは、解体工事の際に補助金や助成金を受けられる主な条件に注目をして解説をします。
家屋や建物を解体する際に、補助金や助成金を必ず受けられるというわけではありません。一定の条件を満たした物件の解体に対して支給されるのが補助金や助成金です。
また、自治体によってはそもそも補助金や助成金制度がない場合もあります。そうした自治体で建物を取り壊す場合は、基本的に自費で全額を負担することになります。ここでは制度がある場合の参考として、どういった条件があるのか確認していきましょう。
空き家
まず、補助金や助成金を受けられる主な条件として、空き家であることが挙げられます。長年居住されたり利用されたりしていない空き家は補助金支給の対象となる可能性があります。特に、特定空き家と認定されて周囲に悪影響を及ぼす可能性が高いと判断された空き家に関しては、補助金を受け取れる可能性が高いです。
空き家をそのまま放置しておくと、倒壊したり害虫や害獣が棲みついたりしてしまって周辺環境に悪影響が出ることがあります。また、放火などの犯罪の温床になったり、不法投棄を行う場所として利用されてしまったりするリスクもあります。
こうしたリスクを考慮すると、自治体としても空き家を放置しておくわけにはいかないという結論に至ります。そのため、空き家の所有者に対して解体費用の一部を負担することで、取り壊しに向けて動き出すように働きかける効果をもたらせます。
基準を超える腐朽破損レベル
空き家の状態でも補助金や助成金を受けられることがあります。そこから、さらにその可能性を高める条件として、基準を超える腐朽破損レベルを挙げることができます。単純な空き家であった場合は補助金や助成金を受け取れない可能性がありますが、倒壊する危険性が高いと判断されれば、補助金や助成金を支給してもらえる可能性も高まります。
倒壊の危険性を示すのが腐朽破損であり、そのレベルに応じて倒壊の危険度が示されます。破損度合いの測り方については自治体によって異なります。耐震診断を用いるケースもありますし、担当者の目視や調査によってレベルを図ることもあります。具体的には、以下の4段階で表すことができます。
- 1.5位以上:倒壊しない
- 1.0位以上1.5未満:一応倒壊しない
- 0.7位以上1.0未満:倒壊する可能性がある
- 0.7未満:倒壊する可能性が高い
上記の4段階で腐朽破損レベルを表します。これらのレベルは、診断業者が建物の外観や内観を目視または簡単な器具を使って測定することで判断します。外観に関しては外壁や屋根、柵などを確認し、内観に関しては内壁や天井の水漏れ、梁といった部分の確認をします。
空き家の腐朽破損レベルの確認に関しては、測定日に立ち会いが必要です。空き家の近くに住んでいて当日に立ち会うことができれば問題ありませんが、遠方に住んでいる場合は当日の立ち会いが難しいかもしれません。
その場合は、空き家の近所に住んでいる方で頼れる人に立ち会ってもらうことも可能です。その際は、委任状を提出することで正式な立ち会いを行ってもらいます。
測定当日は建物内にも入ることになります。担当者への立ち入り許可や細かい部分まで診てもらうことを頭に入れておきましょう。
築年数
続いて、補助金や助成金を受けられる条件として、建物の築年数を挙げることができます。補助金や助成金制度を用意している自治体によっては、「昭和○○年以上前に建築されたもの」という条件を設定していることがあります。基準を昭和50年代後半に設定している自治体も多いです。
これは、昭和56年(1981年)に耐震基準の法律改正があったことが影響しています。新耐震基準と旧耐震基準とでは建物の耐震基準が根本的に異なる部分があります。昭和56年以前に建てられた建物に関しては、今の基準で当てはまると耐震基準を満たさないことが多いです。そのため、その分倒壊のリスクが高まります。
つまり、旧耐震基準で建てられた建物に関しては早めに取り壊しておきたいというのが自治体側の本音です。したがって、築年数が古い建物や空き家の所有者は補助金や助成金を活用し、解体工事を行うことができるかどうか確認してみることも必要です。
税金の支払い
解体工事の際に補助金や助成金を受けるという点では、税金の支払いも考慮しておく必要があります。建物関連の条件を満たしていても、税金支払いに滞納があると原則として補助金や助成金を受けることが不可です。解体工事の補助金や助成金は自治体が支給していることもそうですが、その大元となっているのは国民が支払っている税金であるケースがほとんどです。
その点を考慮すると、税金の滞納をしている人に対して補助金や助成金を支給するわけにはいかないと考えるのも自然なことです。納税は国民の義務でもあり、改めて税金支払いの状況を確認して、行動に移すことがポイントです。
前年の所得
補助金や助成金を受けられる条件としては、前年の所得も考慮しておきたいポイントとなります。所得が多い場合は、補助金や助成金を受けなくても自己資金で工事を行うことができると判断されるケースがあります。その基準としては、前年の所得が1,000万円以上であることが一般的です。自治体によっても異なりますが、前年の所得が1,000万円を超えていると補助金や助成金を受けられないかもしれません。
また、前年の所得だけではなく貯金や資産を見られることもあります。一定以上の貯金や資産がある場合も、補助金や助成金を受けられないことがあります。解体工事の補助金や助成金に関して、あくまでも経済的に苦しい事情がある人のための制度です。そのため、比較的お金に余裕がある人に対して支給されることはありません。
その他の条件
補助金や助成金が支給される条件について確認してきました。その他にも自治体によって条件が設定されていることがあります。
例えば、「新築工事を行うための解体工事ではないこと」も支給条件に含まれていることが多いです。なぜならば、老朽化した建物を取り壊すための補助金であり、新築工事を行うことになると補助金制度の趣旨から反してしまうことになるからです。
その他、以下のような条件を挙げることができます。
- 抵当権が設定されていない
- 公共事業による移転等の補償対象ではない
- 自治体の空き家バンクに登録されている
- 市内の解体業者が解体工事を行う
- 解体工事着手前に申請をしている
- 申請者が暴力団員ではない
- 工事を依頼する解体業者に暴力団とのつながりがない etc…
いずれにしても、自治体によってさまざまな条件が設定されています。そのため、一概にどの条件を満たせば補助金や助成金を受け取れると言うことはできません。条件や具体的な支給金額については、自治体に確認の上で必要な手続きを取ることが必要です。
補助金や助成金制度の具体例
ここからは、補助金や助成金制度の具体例について確認します。
解体工事の補助金や助成金は、国ではなく自治体の制度であることをご紹介しました。全ての自治体で補助金や助成金制度があるわけではありません。ただ、全国で240を超える市区町村が制度を用意しているという情報もあります。
空き家解体補助金や空き家解体以外の関連補助金も含めて、どういった市区町村で制度を準備しているのか気になる部分もあるでしょう。
それぞれの地域の具体的な内容について、一部取り上げていきます。
空き家解体補助金がある都道府県
それでは、空き家解体補助金がある都道府県の事例について確認します。
あわせて補助限度額もご紹介します。
- 秋田県鹿角市:解体費用の2分の1以内(上限50万円まで)
- 新潟県燕市:税抜き解体費用の2分の1以内(上限50万円まで)
- 群馬県高崎市:助成対象経費に5分の4をかけた金額(上限100万円まで)
- 埼玉県行田市:解体費用の2分の1以内(上限50万円まで)
- 東京都足立区:解体費用の2分の1以内(木造上限50万円まで、木造以外上限100万円まで)
- 神奈川県愛川町:補助対象経費の2分の1以内(上限30万円まで)
- 静岡県沼田市:税込み解体費用に3分の1をかけた金額(上限20万円まで)
- 富山県黒部市:解体費用の2分の1以内(上限50万円まで)
- 和歌山県和歌山市:空き家の除去費用の3分の2以内(上限60万円まで)
- 兵庫県姫路市:解体撤去費用の5分の1以内(上限30万円まで)
- 大分県大分市:補助対象経費の5分の4以内または市の定める額のいずれか小さい方(上限160万円まで)
- 佐賀県みやき町:対象経費に2分の1をかけた金額(上限50万円まで)
以上が空き家解体補助金がある主な都道府県です。
ここで取り上げた以外にも、さまざまな自治体で空き家解体補助金制度を実施しています。また、これまで制度がなかった自治体でも新たに制度が設立される場合もあります。これまでの補助内容が変わることもあるため、最新の情報に関しては管轄の自治体に問い合わせることが重要です。
空き家解体以外の関連補助金
空き家解体もそうですが、空き家解体以外でも関連の補助金が出ることがあります。こちらも自治体によってまちまちであり、制度がある場合もあればない場合もあります。空き家の解体のみならず、空き家を取得する際や空き家をリフォームする場合なども補助金を受けられることがありますので、一緒に確認しましょう。
主な関連補助金について、以下の4つの自治体の事例を取り上げます。
①埼玉県川口市
②東京都八王子市
③静岡県静岡市
④石川県珠洲市
埼玉県川口市
埼玉県川口市では、空き家を以下の目的で活用する場合に工事費用の一部を補助する制度を用意しています。
- 地域コミュニティの活性化
- まちづくりの活動拠点
上記の目的で、補助対象工事を行った後で3年以上事業を継続すると補助金を受けることが可能です。具体的な補助内容としては、補助対象工事費用の3分の1(上限50万円まで)を受けられます。さらに、事業を10年以上継続した場合は補助対象工事の3分の2(上限100万円まで)の補助を受けることができます。
東京都八王子市
東京都八王子市でも空き家のリフォーム費用として、補助金制度が用意されています。空き家の所有者が以下の改修工事を行う場合に、一部費用を補助してもらうことが可能です。。
- 空き家の機能維持または向上のための改修
- 省エネ改修
- バリアフリー改修
- 耐震改修
- 子育てに配慮した改修
上記の改修工事が補助金の対象であり、条件を満たせば工事費用の2分の1(上限100万円まで)の補助を受けられます。
静岡県静岡市
静岡県静岡市でも空き家の有効活用や定住促進、地域の活性化を目的として補助金制度を用意しています。具体的には、以下の工事を行う場合に一部費用を負担してもらうことが可能です。
- ガスや水道の改修
- 電気設備の改修
- 台所の改修
- 風呂場の改修
- 内装外装などの改修
上記の工事を行う場合に一部費用を負担されます。金額としては、補助対象経費の3分の1(上限70万円まで)の補助を受けることができます。
石川県珠洲市
石川県珠洲市でも珠洲市への移住や定住の促進、地域活性化を目的として補助金制度を用意しています。空き家の住宅としての機能向上を目的とした工事で一部費用を負担してもらうことが可能です。具体的には以下の通りです。
- 台所の改修
- トイレや浴室の改修
- 洗面所の改修
- 内装の改修
- 屋根や外壁の改修
上記の改修工事に関して、費用総額の2分の1(上限100万円まで)の補助を受けることが可能です。複数の自治体でさまざまな制度が用意されています。まずは空き家を管轄する地域の自治体に問い合わせましょう。その上で、補助金活用の是非を検討します。
補助金や助成金制度の注意点
空き家の解体工事を含めてさまざまな形で利用することができるのが補助金や助成金制度です。
しかし、注意しておきたいポイントもあります。それには、自治体によって制度が異なることや審査には時間がかかること、補助金や助成金は後から支払われることなどが挙げられます。一定の理解を踏まえた上で利用することでスムーズな手続きを行うことができます。
それぞれの注意点について、具体的に確認していきましょう。
自治体によって制度が異なる
解体工事を行う際に支給される補助金や助成金は、自治体によって制度が異なることを頭に入れておくことが必要です。日本全国の市区町村で実施されている補助金制度ですが、一律で決まった規定や条件があるわけではありません。
また、全ての市区町村で補助金制度を実施しているわけではありません。解体工事を行う場合に補助金を支給してもらえると思っている場合、あらかじめ自治体に制度があるかどうか確認する必要があります。そうしないと、制度がない場合の費用負担に狂いが生じてしまいます。
また、制度がある場合でも補助金の支給内容や支給条件は異なります。この辺も役所に問い合わせをすることではっきりとします。大切なのは自分で判断しないことです。然るべき場所に問い合わせを行い、正確な情報を入手してから補助金や助成金の活用を検討するようにしましょう。
審査には時間がかかる
解体工事の際の補助金や助成金制度について、審査には時間がかかることも注意点として挙げます。ここまで取り上げてきたように、全国の多くの自治体で補助金制度があります。しかし、審査に通過しなければ活用できないこともあります。補助金や助成金の利用申請を出すと、自治体の担当者が土地の場所や対象となる物件の状況について確認します。
空き家の場合であれば倒壊の危険性や老朽化の程度などを診断します。担当者が現地に赴いて調査する必要があるので、一定の時間がかかることは間違いありません。
そのため、最初に役所に行って手続きをしてから補助金や助成金を受け取れるようになるまで、数週間程度かかることが一般的です。場合によっては1ヶ月以上かかるようなケースもあります。したがって、申請を行ったらすぐに補助金や助成金を受け取れると考えるのはやめましょう。
思っているよりも時間がかかることを頭に入れた上で、早め早めに動き出すことが重要です。すぐに補助金や助成金を受け取れるわけではありません。ゆとりをもった形で手続きを進めましょう。
できるだけ自分で手続きを行う
補助金や助成金申請手続きに関して、できるだけ自分で行うようにすることが重要です。解体工事を依頼する業者や建築会社などが、情報提供を行い、手続きを代行してくれることもあります。手続きを代行してもらえば、施主としては手間を取られることなく補助金や助成金の利用につなげることが可能です。
しかし、解体業者や建設会社に手続きを代行を利用すると、その分の手数料を徴収されることになります。せっかく補助金や助成金を受け取ることができても、そこから何割か差し引かれてしまうこともあります。補助金や助成金を受け取れるのであれば、100%活用したいはずです。
補助金や助成金申請にかかる手続きはそれほど難しいものではなく、提出書類が多いわけでもありません。役所の方に相談すれば、手続き方法や申請書類について丁寧に教えてもらえます。アドバイスを受けながら進めていくことで自分でも手続きを行うことが可能です
もちろん、手数料を支払っても良いので業者にお願いしたいという場合はそれでも問題ありません。しかし、できるだけ受け取った補助金や助成金を全て活用したいという場合は、自分で手続きを行うことを視野に入れておきましょう。
補助金や助成金は後から支払われる
解体工事の際の補助金や助成金制度にはさまざまな注意点がありますが、後から支払われるということも頭に入れましょう。補助金や助成金を受け取ることで解体費用の一部を工面することができます。しかし、それは最初から受け取れるわけではありません。
実際に補助金や助成金を受け取れるのは解体工事が終わって、領収書や証明書などを提出してからです。役所側も最終的に工事にかかった金額を見て、必要な分の補助金や助成金を支払うという仕組みになっています。
つまり、最初の支払いの時点では施主自らが全額負担する必要があります。最終的には費用の一部を負担してもらうことができます。しかし、最初の解体費用支払い時に補助金や助成金を当てにすることは不可です。現金やクレジットカードでの支払いなど、まずは自分で支払うことを認識した上で後から補助金や助成金を受け取れると理解しておきましょう。
補助金や助成金は絶対に出るわけではない
最後に押さえておきたい注意点として、補助金や助成金は絶対に出るわけではないという点を挙げることができます。各自治体でさまざまな制度が用意されていますが、それぞれの制度に審査があり、支払われる金額や対象となる工事にも違いが出てきます。
申請したからと言って必ず補助金や助成金を受け取れるわけではなく、必要な手続きをした上で審査を通過する必要があります。審査の条件に関しては自治体によって異なるので、事前に問い合わせなどをして確認することがポイントです。
また、年によって審査条件が変わったり、そもそも制度自体がなくなることもあります。予算が決まっている場合は、予算に達した時点で受付終了となることもあります。いずれにしても、絶対に補助金や助成金を受け取れるわけではないことを意識した上で、手続きを進めましょう。
建物解体以外の補助金
ここからは、建物解体以外の補助金について確認します。
ここまで取り上げてきたように、家屋や建物を解体する際には補助金や助成金を提供している自治体も数多くあります。それと同様に、他の撤去工事や解体工事においても、補助金を支給される可能性があります。
具体的には、アスベスト撤去やブロック塀の撤去時に補助金支給制度を用意している自治体があります。建物の解体以外に受け取れる補助金の内容について確認しましょう。
アスベスト除去に関する補助金
アスベスト除去に関する補助金については、建築物に吹き付けアスベスト等が使用されているかどうかを調査したい場合に一定の割合で補助金を支給できるものです。また、実際に建築物に吹き付けアスベスト等が使用されており、その除去工事を行う場合にも一定の費用を負担してもらうことが可能です。
アスベストに関しては、法的規制によって原則として2006年以降に建てられた建築物には使用されないことになっています。しかし、それ以前に建てられた建物に関しては、アスベストが使用されている可能性もあります。アスベストは人体に悪影響を及ぼすことがわかっており、使用されている場合は除去してから建物の解体工事を行います。
実際に東京都では、千代田区や港区、新宿区などを中心にアスベスト除去に関する補助金制度が確立されています。他の都道府県や自治体でもアスベスト除去に関する補助金を受けられることがあります。制度があるのかどうか、支給してもらえる金額などについては各自治体にお問い合わせください。
ブロック塀撤去に関する補助金
アスベスト除去に関する補助金以外に、ブロック塀撤去に関する補助金もあります。建物の解体工事に伴ってブロック塀を撤去するということもあるでしょう。その際に受けられるのがブロック塀撤去に関する補助金です。
こちらも東京都の区や市を中心に制度が確立されており、千代田区や港区、文京区や台東区、八王子市や武蔵野市など、多くの自治体で補助金を提供しています。他の都道府県については、お住まいの地域の自治体に問い合わせるようにしてみましょう。
建物の解体工事をはじめとして、何らかの工事を行う場合は補助金や助成金制度があるかどうかを自治体に確認してみることが大切です。そうすることで、少しでも自らの費用負担を緩和することができます。
まとめ
解体工事と補助金や助成金の関係に注目をして、具体的に解説をしました。家屋や建物の解体工事は数百万円単位で費用がかかることも多く、個人での支払いだけでは大変に感じる部分があります。場合によっては数千万円単位の工事になります。そうした中で頼りになるのが自治体が提供している補助金や助成金です。
補助金や助成金を活用することによ理、少しでも費用負担を軽減することが可能です。そうした制度は全ての自治体で用意されているわけではなく、制度がある自治体とそうではない自治体に分けられます。制度がある場合は、事前に審査基準などを調査して手続きを進めていくことが重要です。まずは補助金や助成金といった制度があることを理解して、少しでも自らの負担を緩和するための行動を取りたいですね。
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